メモ帳がわり
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DATE: 2013/02/22(金)   CATEGORY: オリジナル
初恋と忍者②
忍者は、半年ぐらい昔、友人に頂いたお題でした。
その週の水曜日の放課後のことだ。
合唱団の教室に行くと、事務所の前で受付のおばちゃん達が井戸端会議をしていた。いつもより少しだけ騒がしい。
「こんちわー。おばちゃん、教室空いとらんと?」
「あら、琳吾くん。丁度琳吾君の話しよったところよ。ファンレターみたいなのが届いとってね」
おばさんがニコニコしながら手紙を差し出してくる。白い封筒に綺麗な文字でここの住所と”高峰 琳吾様”と書かれていた。
「へー。またオバサンからやろ。なんかウチのファンってオバサン多いらしいって聞いたよ。氷川きよしみたいでいややなー」
「そんな事言ったらいかんよ、ウチのチケットとか会報買ってくれる人達がいるから、こうやって今日もお歌が歌えるとよ。ウチ、結構設備いいほうなんやから」
「ふーん」
白い封筒を受け取って教室に入ると、まばらに人がいた。
「おー、やっと来たと!りん兄!!」
「りんちゃんや!」
「おっす。お前ら、練習に集中せんね。先生困っとるやろ」
練習中だが集中力のない小学生のちびっこがわらわらと集まってくる。僕はここで最年長でかつソプラノリーダーなので、猿山の大将のごとく振る舞えるのである。
「りん兄、なんやそれ。またファンレターもらったとや。さすが全国区は違うな」
「そっちこそなんやそれ。気になるなら開けてもよかよ」
中一の修吾が自分が貰ったような得意げな顔をしているので、僕は吹き出しながら手紙を渡してやる。人のだというのに、速攻でビリビリ破り出したのを横目に、楽譜を取り出した。もう12月のページェントのための楽譜をもらっている。今回は“アヴェ・マリア”だ。
「綺麗な字やね。……ってなんや、これ」
修吾が不穏な声を出した。
え、と手紙をのぞき込み、血の気が下がる感覚がした。


“高峰 琳吾様

こんにちは。琳吾君の舞台、よく見ています。琳吾君の笑顔には、いつも力をもらっています。
この前の「アメージンググレース」、とても良かったです。琳吾君の歌声は天使の歌声ですね。それだけに、今後、声変わりを経て、おじさんの声になってしまうのが残念でなりません。
この頃、良く夢想します。琳吾君の成長をどうやったら止められるのか。
死んじゃったら声がでなくなるし、ホルモン注射だと体を傷めてしまうし。悩ましいところです。
なるべく声変わりせず、ずっとその歌声を聞かせてください。いつも見ています。
今後も歌、頑張ってね。

君のお姫様より愛を込めて”



写真が数枚同封されていて、多分十歳位から今年までの僕が写っていた。今年の僕は通学路を歩いている斜め後ろの姿で少しぶれており、盗撮されたものだとわかる。
「りん兄、これ、ストーカーや。事務のおばちゃんに言っとき。うわー、めっちゃ鳥肌立った」
「僕もめっちゃ鳥肌立った。寒気とまらん」
僕は、指先で手紙を摘むと、ゴミ箱に手紙を投げ捨てた。






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